心と身体においしい玄米ライフ

玄米初心者におすすめ「発芽玄米」と「ロウカット玄米」を徹底比較

玄米手帖は「心と身体においしい玄米ライフ」がテーマのライスライフマガジン、お米好き編集長の宝達忍が玄米食の魅力をお届けします。

玄米のハードルは高い?

日本人の食卓に欠かせない主食、お米。

離乳食に始まり成長期の学校給食まで、白米のおいしさを遺伝子レベルで刻み込まれていると言っても過言ではありません。

そんな白米の旨味を知り尽くした身体に、玄米を取り入れるのはなかなか難易度の高いこと。

浸水に時間がかかったり、白米とはかけ離れた味や食感のイメージが強く敬遠されがちな玄米ですが、今は食べやすく使いやすく改良された商品がたくさん販売されています。

昔の印象のまま時が止まっている方は、是非現代の玄米を食べてみることをおすすめします。

そもそも玄米ライフって何食べてるの?と疑問に思った方はこちらの記事も併せてご覧ください、リアルな食事内容をご紹介しています。

玄米初心者におすすめの玄米

糠層に覆われた玄米は、精米された白米に比べて水を含むまでに時間がかかり、最低でも5時間、推奨は一晩浸水させなければ炊き始めることができません。

玄米のデメリットである長時間の浸水、この手間を省き白米同様に炊けるのが「発芽玄米」と「ロウカット玄米」です。

玄米初心者の方はこの2つから始めてみてください。

ご紹介するのはどちらもスーパーで手軽に入手できる商品、発芽玄米は株式会社シージーシージャパン、ロウカット玄米は東洋ライス株式会社の商品です。

発芽玄米とは

商品名:発芽玄米
販売者:株式会社シージーシージャパン
製造者:株式会社ファンケル美健
原料米:北海道産うるち米
洗米:不要(無洗米)
浸水時間:30分

発芽玄米は、玄米を発芽させることでふっくらと柔らかい食感になり、GABA(*ガンマアミノ酸)が白米の約10倍、玄米の約2〜3倍と栄養価が高まるのが特徴。

全国どこでも手に入りやすい商品として、ファンケルが製造したシージーシーのPB品をご紹介していますが、発芽玄米は他にもたくさんありますので、買いやすいものを選んでください。

イオンのPB「トップバリュ GABAが白米の約10倍 発芽玄米」もファンケルの製造です。

*アミノ酸の一種でストレス緩和や血圧降下作用がある。

ロウカット玄米とは

商品名:金芽ロウカット玄米
販売者:東洋ライス株式会社
製造者:東洋ライス株式会社
原料米:長野県産コシヒカリ
洗米:不要(無洗米)
浸水時間:1時間

独自技術により玄米表面の防水層である「ロウ」層を「カット」した商品で、玄米の栄養素を保持したまま白米感覚で食べることができ、白米に比べて糖質は約32%オフカロリーは約30%オフとヘルシーさが特徴の玄米。

「金芽」及び「ロウカット玄米」は東洋ライスの登録商標です。

東洋ライスHP▶︎ 白米感覚で食べる玄米『金芽ロウカット玄米』

共通点は炊きやすさと食べやすさ

「発芽玄米」と「ロウカット玄米」は、どちらも無洗米で浸水は30分〜1時間、炊飯にかかる時間は白米と同じです。

味は、白米に比べると「ちょっと香ばしいかな」程度で糠臭さもありません、雑穀米を食べたことのある方なら抵抗なく食べられます。

食感は、発芽玄米はプリっとモチっとしてほのかに甘味があり、ロウカット玄米は米粒がシャキっと自立し粘りが少なくサラっとしています(至極個人的な感想です悪しからず)

どちらか迷ったら、より栄養価の高い食事をしたい方は「発芽玄米」糖質が気になるけどしっかり食べたい方は「ロウカット玄米」を選んでみてください。

玄米と白米の比較

まずはじめに、玄米と白米、玄米と発芽玄米の違いを見てみましょう。

玄米は、胚乳と胚芽を糠層で覆っている状態で、糠層は表面に近い方から、果皮→種皮→糊粉層と3層に分かれています。

白米は、精米して糠層と胚芽を除去した胚乳のみの状態です。

精米時に取り除いてしまう糠層と胚芽部分に、タンパク質、ビタミン・ミネラル類、食物繊維などが豊富に含まれており、これが玄米が白米より栄養面で優れていると言われる所以です。

発芽玄米は、玄米の胚芽をわずかに発芽させることで、玄米の中で酵素が活性化し栄養価が高まった状態、糠層が柔らかくなり食べやすくなります。

玄米と白米の外観比較

発芽玄米、ロウカット玄米、白米の見た目を比較します。

左が発芽玄米、胚芽を発芽させた状態で、発芽時に水を加えるため(発芽方法はメーカー毎に異なります)粒がふっくらしています。

右がロウカット玄米、糠層を覆っているロウ層を除去した状態で、水分を含んだ発芽玄米に比べると原料米のサイズのまま、一皮剥けたことでほんのり白っぽいのが特徴です。

中央の白米は真っ白な胚乳のみの状態、ポコっと欠けた部分に胚芽がついていました。

玄米が緑色の訳は葉緑素

玄米の中に時折出現する緑色の米粒、カビ!?と一瞬身構える方も多いのでは?

これは完熟直前のお米「青米」と呼ばれるもので、表面に「葉緑素」が多く含まれているため緑色に見えています。

葉緑素は俗に言う「クロロフィル」で、血中コレステロールを下げる働きや抗酸化作用があり、緑色の玄米を食べても身体に悪影響を及ぼすことはありません。

炊飯前は緑色でも、炊飯後には同じ見た目に炊き上がるのでご安心を。

玄米と白米の栄養成分比較

発芽玄米、ロウカット玄米、白米の栄養成分を比較します。

炊飯前100g当たり発芽玄米ロウカット玄米白米
エネルギー339kcal354kcal342kcal
タンパク質6.5g5.6g6.1g
脂質3.3g2.5g0.9g
炭水化物74.3g76.2g77.6g
−糖質71.2g72.7g77.1g
−食物繊維3.1g3.5g0.5g
カルシウム13mg6mg5mg
ビタミンB10.35mg0.36mg0.08mg
ビタミンE1.2mg1.4mg0.1mg
葉酸18μg21μg12μg
ナイアシン4.9mg3.1mg1.2mg

・白米と発芽玄米は日本食品標準成分表2020年版(八訂)より作成、ロウカット玄米は東洋ライス株式会社HPより抜粋

炊飯前の成分表で注目すべき点は、白米では取り除かれる糠層と胚芽の栄養成分が玄米の数値に反映されていること。

白米にはほとんど含まれていない、脂質・食物繊維・ビタミン類が玄米には豊富に含まれていることがよくわかります。

炊飯後100g当たり発芽玄米ロウカット玄米白米
エネルギー161kcal118kcal156kcal
タンパク質3.0g2.1g2.5g
脂質1.4g0.7g0.3g
炭水化物35.0g26.6g37.1g
−糖質33.2g25.1g35.6g
−食物繊維1.8g1.5g1.5g

炊飯後の注目点は、発芽玄米の食物繊維の多さと、ロウカット玄米の糖質の少なさ。

食物繊維の1日あたりの摂取基準は20g程(性別年齢によって多少前後)お茶碗1杯150gの発芽玄米を3食食べれば、主食だけで8g程度の食物繊維を摂ることができます。

ロウカット玄米は、お茶碗1杯150gで177kcal糖質37gと驚きの低カロリー。

例えば150gを1日3食食べると…

150gを1日3食発芽玄米ロウカット玄米白米
エネルギー724kcal531kcal702kcal
−糖質149g113g160g
−食物繊維8.1g6.7g6.7g

なんと、1日でロウカット玄米1杯分は差がついてしまいます、がっつり食べたいお米大好き勢が泣いて喜ぶ逸品です。

発芽玄米とロウカット玄米を炊き比べ

最後に発芽玄米とロウカット玄米を炊き比べてみます。

通常白米は1合180mlに対して水200ml前後で加減しますが、玄米は白米よりも多めの水加減を推奨されます。

今回は、やわやわ反対!粒が立ってなんぼ!というわたし流の水加減でご紹介しますが、好みは人それぞれなので良い塩梅を探してみてください。

発芽玄米の炊き方

シージーシーの発芽玄米の場合、推奨されている水加減は、玄米1合に対して水245ml ですが、立ってなんぼのわたしは玄米1合に対して水225ml で炊いています。

浸水時間は推奨の30分、炊飯後15分蒸らして炊き上がり、ムラなくおいしく炊き上がった証拠カニ穴もお目見え。

ロウカット玄米の炊き方

推奨されている水加減は、玄米1合に対して硬めの場合は水270ml、柔らかめの場合は水360ml、立ってなんぼのわたしは玄米1合に対して水250mlで炊いています。

浸水時間は推奨の1時間、炊飯後15分蒸らして炊き上がり、こちらもカニ穴出現してます。

左が発芽玄米で丸みのある大きめの粒、右のロウカット玄米は細身で少し色白の粒です。

蒸し終わったらすぐに混ぜて、150gずつ小分けにし即冷凍!

100gぐらいのおにぎりにして冷凍しておいても、小腹が減ったときに便利ですよ。

特徴を活かして使い分け

発芽玄米とロウカット玄米、どちらもそのままで十分おいしいですが、特徴がそれぞれ違うのでお料理によって使い分けています。

発芽玄米は粒が大きめで食べ応えがあるので、玄米+お味噌汁+おかずの献立や、おにぎり、丼ものなどによく使っています。

対してロウカット玄米は、粘りが少なめでサラッとしているので、雑炊などスープ類に入れても水分を吸いすぎることがなく、チャーハンやライスサラダもパラパラに仕上がります。

おいしく食べられることが一番

玄米食べてみたいけどハードル高そう…そんな方でも抵抗なく使える玄米をご紹介しました。

スーパーでも1kgや2kgなど少ない量から売っていますので、気軽に試してみてください。

大切なのは、おいしく食べられて身体に不調が出ないかどうか、これは全ての食べ物に言えること。

どんなに身体に良いと言われているものでも、おいしくないものを我慢して食べるなんて辛過ぎますし、胃腸が受け付けないものを食べ続ける必要もありません。

玄米もおいしくないと感じたり、体調が優れないのであれば縁がなかったと諦めましょう

おいしいかも!身体の調子良いかも!そう思った方は、レシピのご紹介もしていますので「心と身体においしい玄米ライフ」に足を踏み入れてみてくださいね。

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