玄米手帖は「心と身体においしい玄米ライフ」がテーマのライスライフマガジン、お米好き編集長の宝達忍が玄米食の魅力をお届けします。
本日は8年間玄米を食べ続けているわたしの視点から、おいしく食べるためのちょっとしたポイントや心得をご紹介します。
もくじ
玄米を炊いてはみたものの口に合わなかった、そんな方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
甘味と粘りがある白米に比べると、特有の香ばしさがあり粘りの少ない玄米は、物足りなかったり逆に主張が強すぎると感じることが多いようです。
また、糠層に覆われた玄米はしっかり咀嚼する必要があるため、飲むように白米を食べたい!という白米ラバーには納得のいかない食感だと思います。
このように玄米と白米、違いは味と食感です。
いやいや…味も食感も違ったら、もう違うものじゃないか!そう思ったそこのあなた、正解です。
玄米は白米の代替品ではなく、違うものだと理解して長所を伸ばす工夫をする、これこそが玄米のマイナスなイメージを払拭する一番簡単な攻略法。
玄米がお口に合わなかった方は、一度玄米の特徴を活かした食べ方に挑戦してみてください。
※玄米が身体に合わない場合は無理に食べる必要はありません!人それぞれ調子良く過ごせる食材は違いますから、心にも身体にもおいしい食事をしてくださいね。
まずは、白米と同じように一汁一菜の「玄米+おかず」で食べる場合。
白米は甘みが強いため、淡白な味付けのおかずでもおいしくいただけますが、主張強めの玄米には同じく主張強めのおかずを合わせるのがおすすめです。
冷奴にごま油をチラッとかける、ほうれん草はお浸しよりは胡麻和えに、炒め物は塩胡椒から味噌味に、お刺身は脂の乗った青味魚を選ぶ、など「シンプル代表」のようなおかずは少しだけこってりさせるとがご飯が進みます。
納豆ご飯はそのままでOK、卵かけご飯はお醤油だけだと玄米が勝つので、めんつゆに替えてみたり、七味をかけたりしてみると味が馴染みます。
お味噌汁は、油揚げを入れてコクを出したり、さつまいもやかぼちゃなど甘みの強い野菜や、オクラやなめこなど食感に特徴のある野菜をたっぷり入れて「おかず味噌汁」に寄せるのがおすすめ。
旨みたっぷりのけんちん汁や豚汁も、玄米との相性良しです。
苦手でなければ、魚醤(ナンプラー、いしる等)や辛味成分(豆板醤、七味、コチュジャン等)で味付けすると玄米の主張に負けず、むしろ相性の良いおかずが出来上がります。
薬味(ネギ類、大葉、茗荷、生姜、にんにく等)をいつもより多めに入れるのも吉。
味を濃くしたり脂ギッシュにする必要は全くありませんが、ほんのちょっと個性を追加する気持ちで味付けしてみてください。
お肉の脂が合うのはやっぱり白米、玄米と食べるなら豚肉や牛肉よりも鶏肉を癖強めに味付けした方がおいしく頂けます。
何より、甘みや粘りの少ない玄米は、脂の乗ったお魚との相性が抜群に良いんです。
白米なら大根おろしが欲しくなるような鯖や鮭も、玄米となら大根おろしなしでもさっぱりおいしく食べられます。
お魚は焼くだけでいいので、おかずを考えるのが面倒な時は「玄米・お味噌汁・お魚」が大正解。
今日はとことん手抜きしたい、そんな時はカレーで解決!
玄米とカレーの相性は素晴らしく、スパイスから作ったこだわりカレーはもちろん、我が家のカレーでもインスタントカレーでも合わないカレーはありません。
給食の甘いカレーのもきっと合うはず。(おいしいですよね、給食のカレー)
手抜きしたいけど、納豆ご飯でも卵かけご飯でもないという時のために、レトルトカレーを常備しておきましょう。
「玄米+おかず」の組み合わせ以外に「ご飯もの」と呼ばれる料理にも、玄米をおいしく食べられるものが沢山あります。
・玄米特有の香ばしさがある
・粘りが少なくパラパラしている
・糠層に覆われて必要以上にふやけない
この3つの特徴を上手に活用すると、よりおいしく食べられます。
チャーハンがパラパラに仕上がった試しがない人生を歩んできましたが、粘りの少ない玄米ならびっくりするほど簡単にパラッパラチャーハンが出来上がります。
何より、玄米の香ばしさがチャーハンやピラフにとっても良く合う!前述にあるような癖強調味料で味付けすると、さらに味に一体感が出ますよ。
ふやけた白米がたまらなく好きという方もいらっしゃるとは思いますが、個人的には汁気の多いご飯ものは、どんどんふやけて食べても食べても増えていくのが難点でした。
玄米は食事時間程度なら、スープの中に沈んでいても量が増えるほどふやけることはありません。
最後までお米の粒感が残っているので、食べ応えもありきちんと咀嚼できます。
和食なら、酢飯にするのもおすすめです。
お寿司なんて淡白代表みたいなお料理とは一見合わなそうですが、お酢と玄米、合うんですこれが。
白米で酢飯を作る時は少し硬めに炊く場合が多いですが、玄米は寿司酢を加えてもベチャッとしにくいのでいつもの水加減で問題ありません。
青味の魚やアボカド、ツナマヨなど、ネタをちょっとこってり系に寄せるのがポイント、いなり寿司は間違いなくおいしいです。
癖の強いエスニック料理は玄米の得意分野、「タイ米」や「ジャスミンライス」の代わりに玄米を使うイメージです。
エスニック料理はお米料理とりわけ鶏肉との組み合わせが多く、玄米の魅力を引き出してくれます。
普段使いしない調味料も多いですが、カルディなどで売っている「◯◯の素」が結構本格的なので活用してみてください、手軽においしくできますよ。
玄米と白米をパン界で例えると、ベーグル(玄米)と食パン(白米)程度の違いかなと思います。
ずっしりと小麦の風味が強いベーグルは、クリームチーズやサーモンなど比較的変わり種が良く合いますが、バターたっぷりでふんわり甘い食パンは、そのまま食べてもシンプルなサンドウィッチにしてもおいしいですよね。
同じお米、同じパンだけど、それぞれより合う食材や調味料がある。
そう思えば、白米と比べる必要もなく、玄米は玄米でおいしく食べることができると思います。
8年間玄米を食べ続けているわたしですが、365日玄米を食べている訳ではありません。
パンを食べる日もあれば白米を食べる日も当然あります、マグロのお刺身にはやっぱり白米だし、中華料理屋さんに行ったらエビチリと白米、回転寿司も大好きです。
その時々でより合う方を選ぶ、上手に使い分けるのが、心と身体においしい毎日を送るための近道。
手抜きでも全然大丈夫「おいしい」と思えることを大切にしましょう。