玄米手帖は「心と身体においしい玄米ライフ」がテーマのライスライフマガジン、お米好き編集長の宝達忍が玄米食の魅力をお届けします。
本日は「7号食ダイエット」について、玄米手帖オリジナルの方法と合わせてご紹介します。
もくじ
「7号食」とは、マクロビオティックの創始者である桜沢如一氏が提唱した「1日に玄米ごはん1杯で10日間過ごす」という健康法。
マクロビオティックでは食事を8段階に分類しており、嗜好品や高カロリーな物を食べるのが1号食、そこから脂質や糖質の高いものが減っていき、7号食は玄米のみを食べる食事法にあたります。
「1日に玄米ごはん1杯」という本来の7号食はあまりにハードなため、より実践しやすい方法にアレンジされたのが7号食ダイエット。
飽食の現代において、栄養豊富な玄米のみを食べて最低限の栄養を摂りながら、胃腸を休ませることで体質改善を試みるのが目的です。
7号食で過ごす10日間と回復食で過ごす4日間、合計14日間で構成されます。
▶︎1日目〜10日目(7号食)
▶︎11日目〜14日目(回復食)
7号食ダイエットの方法は、推奨している方やサイトによって多少異なり、寝かせ玄米のみを食べる方法もありますし、胡麻と塩のみだったり、たくあんOKだったり、回復食の内容もそれぞれです。
違いはあれど、「玄米のみで10日間」「回復食1食目は玄米と具なしのお味噌汁」「嗜好品ゼロ、カフェインゼロ」が基本。
14日間かけて身体をリセットする7号食ダイエット、かなりストイックですがやり抜けばダイエットとしての成果は出ますよ。
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7号食ダイエットを知ったのは4年程前、玄米なら毎日食べているし、ものは試しと挑戦しました。
詳細は下記に記しますが、結論から言えば「ダイエット」としては成功だと思います。
14日間で約3kgの減量、特にお腹周りが薄〜くぺったんこになり、見た目は3kg減よりもスリムになったなという印象でした。
減量以外にもメリットは多いと感じましたが、メリット以上にデメリットがしんどかった…というのが個人的な感想です。
挑戦したのは4年前、メモ魔故に記録が残っています。(原文ママでは到底お見せできないほど愚痴のオンパレードでした)
身長は161cm開始当日の体重は50.2kg、運動量はもともと多く筋肉質、1日1万歩は歩いたり走ったりしている30代後半。
1日の玄米の量は、1食200gを3食、補食としてお腹が空いたら玄米甘酒を1杯、玄米餅を1〜2個食べていました。
14日間で感じたメリットは次の7つ。
開始時50.2kg、終了時47.1kg、3.1kgの減量。
体感としては、3日目を過ぎたあたりから毎朝身体が薄くなっていく感じがして、運動時の足取りも軽くなりました。
2日に1回程の頻度だった便通が、3日目から毎日快便でした。
6日目には水のように出てびっくり(痛みはなく下痢とも違う)、腸に溜まっていたものが全部排出されたような感覚でした。
食べる量に制限はないので、お腹が減って辛いことはありませんでした。
毎日1万歩歩いてもエネルギー不足を感じることはなく、低血糖でフラフラすることもなかったです。
調理にかかる時間は、玄米を炊き小分けにして冷凍する時間と、食前にレンジでチンする時間だけ。
1日3食作って食べるって時間がかかりますから、献立を考えたり買い出しに行ったり調理したりする時間を他のことに使えるのは、非常に効率的だなと感じました。
10日間の玄米オンリー生活を乗り越えるとやってくる4日間の回復食。
回復食1食目の具のないお味噌汁、心と身体にとんでもなく沁みました、思わず「うわぁあああ」と仰け反ったほどに。
お味噌の香りと塩気、出汁の旨味、普段何気なく食べていたお味噌汁がまるでご馳走のようで…、麻痺していた味覚がリセットされ鋭敏になる瞬間を初めて味わいました。
あれ食べたいこれ食べたい…という雑念は4日目くらいで消えました。
舌の記憶が消え味覚がリセットされると、玄米を食べる、日に日に身体が軽くなる、この繰り返しだけが生きがいになってきます。
14日間完走後も、2週間ほどは玄米とお味噌汁と少しのおかずで過ごしたほど、良くも悪くも「無」になります。
脂質やタンパク質は玄米に含まれる分しか摂取していないので、通常食に戻したら多少体重も戻るだろうと思っていましたが、その後1年ほどは、増えも減りもしませんでした。
回復食後に暴飲暴食すれば話は別だと思いますが、普通の食事でリバウンドすることはなく、むしろ健康的なものを欲するようになります。
無事3.1kgのダイエットに成功し、メリットも十分に感じたのですが、その裏ではこんなことが起きていました。
減量成功の嬉しさより、14日間の苦行にメンタルを打ち砕かれた、これが正直な感想です。
7号食ダイエットに限らず「◯◯だけダイエット」は、精神衛生上良いものとは言えません。
玄米に胡麻塩か梅干しだけの10日間、塩気は確かにあるのですが、お味噌やお醤油の風味、出汁の旨味、野菜の甘みなど、色々相まって「おいしい」と感じるのが人間の性。
食への執着は確かになくなりますが、悪い意味では興味もなくなります。
4日目以降は空腹を満たすためだけに玄米を口に押し込む、もはや咀嚼するのも億劫という状態で、これでは食べ物に対して失礼だなと思いました。
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瞑眩反応防止のために、2週間前からカフェイン断ちをして万全の態勢で臨んだのですが、2日目から8日目までは頭痛との戦いでした。
生活がままならないほどの激痛で運転もできない状態、玄米だけで過ごす以前に頭痛と共存することがあまりに辛かったです。
*頭痛など体調不良を感じた場合は躊躇なく中止してください。
14日間は外食厳禁、カフェインはもちろん清涼飲料水やアルコールも摂取できません。
となると、お付き合いでの会食やお友達と遊ぶ予定も入れられない、食べられないと宣言してお水かデカフェの飲み物で会食やランチの場にいるのも、あまりに気まずい…。
家で料理担当を担っている場合は、食べられなくても作らないといけないわけで、となると味見は??わたしは感を頼りに想像で味付けしていました。
身体に良い食べ物でも心が荒むような食べ方をするのはやっぱり良くない、これが結論です。
ストイックな性格であることを自覚しているわたしですら、毎日同じものを食べ頭痛に悩まされる14日間は萎えました。
減量という成果があったから完走できましたし、味覚がリセットされる感覚を体感できたことは大きな収穫となりましたが、食に対して辛く嫌な思いをする必要はないと思います。
7号食ダイエットから4年、年齢と共に体重も増えましたが、あれ以来挑戦はしていません。
ですが、身体が重たいな、ジャンキーなものばかり欲するな、と思った時に7号食の力を借りてリセットしています。
7号食ハーフもあるようですが、わたしが実践しているのはそれより短い3DAYS、味覚と便通をリセットするのであれば3日間でも十分実感できます。
完全な7号食は2日目の2食目まで、5回だけなのでメンタルに影響はありません。
2日目の3食目に具なしのお味噌汁、3日目は普通のお味噌汁に戻し、4日目からはおかずありの通常食に戻ります。
たった3日ですが、味覚がリセットされジャンキー欲もどこへやら、乱れていた食生活を元に戻すにはもってこいです。
⇩こちらで実際のメニューを公開しています。
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普段玄米を食べ慣れていない方が、いきなり挑戦するのはおすすめできません。
白米と違い食物繊維が豊富で消化に時間のかかる玄米は、早食いの方や胃腸が弱い方には向きません、いきなり7号食はリセットどころか体調を崩す恐れがあります。
まずはご自身の胃腸の様子を伺いながら少しずつ玄米に移行し、7号食を実践するのは玄米をおいしく食べられるようになってからです!
世界的に見ても肥満率の低い日本において、お医者様から「今すぐ減量しないと命に関わる」とお達しを受けている方を除いて、大抵の方はそこそこ健康の範囲内のはずです。
作るのも面倒、食べるのも億劫、とりあえずお腹が満たされれば何でもいいや、そんな時期がわたしにもありました。
逆に、健康という言葉と数字に捉われすぎてカロリー計算に躍起になり、身体に合わない物を食べ続けたことも。
体重よりも大切なのは、食に対して嫌にならないこと。
「おいしく食べてスムーズに出せる」を叶えてくれたのが玄米で、これを毎日続けていれば激太りすることはありません。(もちろん消費しきれないほど大量に食べないことが大前提)
3日間で無理なくリセットできる方法もご紹介しましたので、「最近食に対してうんざりしてきた」そんな方がいらしたら、実践してみてください。
4日目には、またおいしく食べられる日が戻ってくるはずです!
玄米ライフをはじめてみませんか?